投稿日:2013-12-31 Tue

島唄のきこえる丘をしあわせの親戚が列になってあるく
~ 笹井宏之 『てんとろり』 飛ぶもの より ~
28日に次男と墓掃除に行きました。
筒井家のお墓は我家から見える小高い山の頂にあります。

英山の手前の山の木立を少し登ったところに墓はあり、下の雑木林の木々が伐採されたので
我家からも見えるようになりました。(下の写真の右橋)

わが里を大鴉二羽飛びゆけり そののち銀の黄昏は来ぬ 2006.6.8
~ 笹井宏之 『八月のフルート奏者』 より ~
父の頃までは有田工業高校だった場所は現在、泉山防災広場になっていて体育館や
ロクロや絵付け体験ができる施設(ロクロ座)があります。
そこから登っていきます。

我家から数百メーターの距離ですが、結構、急な山道になっていて、
この歳になると途中で息が上がります。

クマザサがたくさん自生しています。

ここをもうひと登りすると墓が見えてきます。
久し振りでしたので、途中の倒木を路脇に片付けながら登りました。

次々とお墓にふれるこどもらの鳩の部分がふぁーんとひかる
~ 笹井宏之 『ひとさらい』 こころをゆるす より ~



冬ばつてん「浜辺の唄」ば吹くけんね ばあちやんいつもうたひよつたろ 2006.12.7
~ 笹井宏之 『八月のフルート奏者』 より ~
29日に母の納骨を済ませました。
早いもので、母を見送ってから百か日が過ぎました。

普段は見上げている煙突が眼下に見えます。

墓からの帰り道、有田内山の街並みが見晴らせます。

木の間より漏れくる光 祖父はさう、このやうに笑ふひとであつた 筒井宏之
~ 2006年5月4日付 佐賀新聞読者文芸掲載作品 より ~
この歌は2006年5月4日付の佐賀新聞読者文芸に掲載されました。
この頃から佐賀新聞には「筒井宏之」として旧仮名遣いでも作品を投稿し始めました。


煙突に、英山に、そしてご先祖様に見守られながら日々生かされていることに感謝。
新しい年が穏やかで健やかな一年でありますように。

初春のよろこびなしと言ふひとへ迎へらるるがよろこびと説く 2009.1.15
~ 笹井宏之 『八月のフルート奏者』 より ~
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投稿日:2013-12-26 Thu

十二月二十六日煙突のうちより発見さるる老人 2007.1.18
~ 笹井宏之 『八月のフルート奏者』 より ~
今年も有田の街の煙突にはサンタさんが登っていました。
そろそろ仕事を終えて帰り支度。


昨年から始まったサンタプロジェクト。
有田には400を超える煙突があります。
「窯の煙突からサンタさんがやってくる」
有田の子どもたちはそう信じています。
師走の有田の風物詩となりそうです。
来年は我家の煙突にもサンタさんが来てくれますように!

クリスマスも終わり今年も余すところ5日となりました。
【ブログ紹介】
『九大短歌会』 12月13日 笹井宏之 第三歌集『八月のフルート奏者』
ありがとうございました。

(2013―12-22 早朝の有明の月)

半月のうすれゆくころ眠剤の白きを割りて飲み下したり 2008.3.20
~ 笹井宏之 『八月のフルート奏者』 より ~

チェリストの弓は虚空を描きたり 最終音符に炎灯して 2005.12.15
~ 笹井宏之 『八月のフルート奏者』 より ~
投稿日:2013-12-07 Sat

幸せでいいですかと問う君の横ほら幸せが頷いている 2004.12.23
~ 笹井宏之 『八月のフルート奏者』 より ~
♪ さざんか さざんか さいたみち
たきびだ たきびだ おちばたき ♪
このところの冷え込みで、玄関の山茶花が蕾を開きはじめました。



冬を越すことのできない花たちへおゆかけている おゆ あたたかい
~ 笹井宏之 『てんとろり』 やさしく、はぐれる より ~
♪ かきねの かきねの まがりかど
たきびだ たきびだ おちばたき ♪
最近は、たき火の風景は見かけなくなりました。
落ち葉を掻き集め、たき火を囲んで子どもたちが遊んでいました・・・




木目のない木馬が草をかきわけてわたしに花を届けてくれる
~ 笹井宏之 『てんとろり』 てんとろり より ~

かなしみが冬のひなたにおいてある世界にひとり目覚めてしまう
~ 笹井宏之 『てんとろり』 やさしく、はぐれる より ~
投稿日:2013-12-01 Sun

ひかりあふビルとビルとのあはひにて虹を産まんとする雨後のみづ 2008.7.3
~ 笹井宏之 『八月のフルート奏者』 より ~
12月の朝は東京のホテルで迎えました。
今日は宏之と一緒に東京を歩きます。



夢の戸を閉め忘れたる朝と思ふ 筆立てに筆いつぽんもなし 2008.5.15
~ 笹井宏之 『八月のフルート奏者』 より ~
昨夜は久し振りに東京の夜を徘徊しました。
学生時代によく歩いた道。
40年前とは風景が一変していますが、夜のとばりが
辺りの景色を消してくれ、しばしタイムスリップ。

顔をあらふときに気づきぬ吾のなかに無数の銀河散らばることを 2008.5.8
~ 笹井宏之 『八月のフルート奏者』 より ~
昨日の新鋭短歌シリーズ出版記念会には全国から約200名が参加され、
会場には若い歌人の皆さんの熱い思いが漂い、大変盛り上がりました。




私も最後にご挨拶させていただき、監修の先生、歌集を刊行された歌人の皆さんと
記念撮影に加わらせていただきました。
懇親会も2次会までお付き合いし、宏之がお世話になった多くの方々にお礼を
申し上げることができました。
昨朝の東京行きの機内からは、富士山がきれいに望めました。

伝へたきひとがゐるゆゑこの歌にあかときの両翼はひらきぬ 2007.6.14
~ 笹井宏之 『八月のフルート奏者』 より ~
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