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笹井宏之

Author:笹井宏之
◇1982年夏生まれ
◇ししゃも好き
◇療養生活をおくりながらあっけらか
 ーんと短歌をつくっています

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 tsutsui@izumy.com
(@は半角文字で入力してください)

【温帯空虚】
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療養生活あれこれ

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我家の「へやほう」 ~ 世界がやさしくあるためのメモ(パート2) ~
のんちゃんの日向ぼっこ


ここちよい虚構 あなたが包帯のかわりに猫をまく春の夜の

~ 笹井宏之 『世界がやさしくあるためのメモ』より ~





世界がやさしくあるためのあとがき (後半)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

夏に有田に行って笹井君とご両親にご挨拶をしてから、いよいよ
本格的にとりかかりました。

困ったときには、へやほうへやほう、とこころでつぶやいていました。
いったい、なんのことかと思われるでしょう?
笹井君のあみだした呪文です。成り立ちはさておき、へやほう、と
口に出すと肩の力が抜けるのを発見して、へやほうへやほうやって
いきましょう、なんて言っていたんです。
へやほう。さすが笹井。

成り立ちはさておき、なんて言っておきながら、やっぱりネタばらし
すると、へやほうとは「部屋宝」と書きます。笹井君が、大切なもの
の話をしているとき「家宝……でもぼくの部屋だから、へやほうかな」
と言っていたので「部屋宝」、ですよね。
それを思うと、この本は、わたしのへやほうです。
みなさまのへやほうの中のひとつにも、していただけたらうれしいです。

笹井君、笹井君のご家族のみなさま、仕掛け人兼デザイナーの小春川さん、
写真を提供してくださった弘江さん、そしてここまで読んでくださった
みなさまに、感謝をこめて。

日野やや子



宏之は26歳で旅立ちましたが、心身の病が重くなった15歳の夏から
一番多感な10年間の殆どの時間を自分の「部屋」で過ごしました。

自分の「部屋」が、「家」であり「世界」でした。


「部屋宝」・・・・・・、「へやほう」・・・・・・




何度かこのブログでも紹介しましたが、この一年、たくさんのすばらしい
出会いがありました。

そして、この半月でまた、すてきな出会いがいくつかありました。


2週間ほど前、ムムリクさまに出会いました。
出会いのきっかけを作ってくださったのは、5月11日のご自分のブログで
宏之の短歌を紹介してくださった阿智胡地亭様

阿智胡地亭様には数ヶ月前にも宏之のことを紹介していただき出会いました。

宏之の短歌が連日「ムムリクさんのART日記」に、とてもすてきなページになって
綴られています。


そして、昨日は福岡でこどもたちを守る活動をなさっているCAP・Groupえふ様
に出会いました。
5月29日のブログ「千年の初夏の風」で宏之の短歌と
3月25日の「しあわせ」で宏之の詩とこの『些細』のブログを
紹介して下さってました。


昨日は東京からお二人有田を訪ねて下さいました。
(次回ご紹介します)



我家には、皆さまからいただいた心のこもった「へやほう」
がたくさんたくさんで、ただただ感謝です。



(写真は初登場、我家の末っ子「のんちゃん」。日向ぼっこ中です)

残照 | 20:47:12 | Trackback(0) | Comments(5)
世界がやさしくあるためのメモ
世界がやさしくあるためのメモ


千年の眠りののちに語られる世界がやさしくあるための嘘        笹井宏之


日野やや子さん『世界がやさしくあるためのメモ』という歌集を
発行されました。(2010年5月23日 初版発行)


その中から一首紹介させていただきました。


世界がやさしくあるためのあとがき

この本は未完です。
04年からwebやメールで交流していた笹井君に、一緒に本を
つくりませんか? と(かなり勇気をだして)声をかけたのが
09年1月2日。翌日には快くオッケーをいただいて、楽しい
本づくりになるなぁと、わくわくしながら創作にとりかかった
ものの、笹井君は唐突に帰らぬ人となってしまいました。
1月24日でした。
ショックやら当惑やらで、さんざん悩みましたが、続けること
に決めました。その間に作られた15首を、生前、笹井君から
預っていたからです。
あとからご両親にうかがったところによると、彼は作品を一週
間ほど寝かせて推敲などをしてから世に送り出していたようで、
なかには(要改作)と付された「寝かせ中」の作品もありました。
しかし、どれもこれもストレンジでやさしい。これが形にならない
なんてもったいない。
そんなわけで、未完ながら出すことにしました。
・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・



日野やや子さん、ありがとうございました。


私たちの 『へやほう』 にさせていただきます。



(『へやほう』につきましては、「世界がやさしくあるためのメモ」のあとがきの後半に紹介されて
います。歌集をお求めいただくか、次回のこのブログでご紹介することにします。) 



残照 | 23:59:15 | Trackback(0) | Comments(1)
『届け 碗琴の調べ』
煉瓦館宏之との共演


白い光だなんて、教わっていないし、でもさわっていたから、ごめんなさい

                            ~笹井宏之 『ひとさらい』より



16日(日)に武雄高校の総会があり、その席でSTS(サガテレビ)のアナウンサー
で幼なじみの同級生でもある松本茂樹君(局の人気アナウンサーです)とのコラボが
実現しました。

私の碗琴に合わせて、彼が宏之の短歌を読んでくれました。
碗琴演奏を始めて8年目になりますが、朗読とのコラボは初めての経験でした。

彼のブログ STSアナ日記 「松本茂樹の日記」で当日のことを紹介してくれました。
写真もお借りしました。



(2010年5月17日)

『届け 碗琴の調べ』

「碗琴」ってご存知ですか?
茶碗や皿、丼など「有田焼」の食器を楽器にして
演奏するものです。
磁器特有の澄みきった美しい音色が
聴くものを魅了します。

この「碗琴」を再興し、8年ほど前から
仕事の傍ら有田の活性化の為
演奏活動を続けている人がいます。
有田町の筒井孝司さんです。

実は、筒井君と私は同郷の同級生。
以前から、演奏を聴く機会はありましたが、
昨日初めて、筒井君の演奏と私の朗読という
コラボが実現しました。

笹井宏之さんという有田在住の若い歌人がいました。
闘病生活の中で生み出された作品の数々は
多くの人に感銘を与え、
歌壇でも期待を集めていましたが、
1年半ほど前、26歳という若さで急逝されました。

この歌人・宏之さんは、筒井君のご長男です。
以前、宏之さんのフルートと筒井君の「碗琴」との
親子共演を楽しませて頂いたこともありました。

今回、筒井君と私が同じ舞台に立つお話しが
ありました。
そこで、「碗琴」の演奏をバックに
宏之さんの作品を朗読でみなさんに紹介し、
筒井親子の世界を再現出来るのではないかと
思い立ちました。

朗読なんて久し振りです。まして、短歌は初めて。
本番前に少し合わせるくらいしか出来ませんでしたが、
「碗琴」の清らかな調べが流れ始めると、
自然と誘われるように言葉が発し始めました・・・。

天国の宏之さん、届きましたか?



写真は、2007年12月15日に私の同級生が館長をしている『煉瓦館』(大町町)
で宏之と一緒にミニコンサートをした時に松本君が撮ってくれたものです。





残照 | 18:53:59 | Trackback(0) | Comments(5)
041:こだま より ー 楽歌三昧より
追悼コンサート


041:こだま より  (題詠選り好み2006)

さよならのこだまが消えてしまうころあなたのなかを落ちる海鳥   笹井宏之(【些細】)

なんとも言えず好き。すーっとしたリズムでうっかり読み過ごしてしまいそうな上の句の後に、
どきっとする下の句。笹井さんは詩人だなぁ。
別れた人の心の中にいつまでも存在したいと思う人もいるかもしれないが、普通はまぁ、
フェードアウトしていくものだと思う、お互いに。
上の句はそういう時間の経過を含んでいるから、海鳥が落ちるというのは「あなた」の中から
自分の存在が消えてしまうということなんだろう。淡々と詠んでいるが「落ちる海鳥」は結構胸に来る。
「こだまが消えて」しまっても自分の中では忘れられないという含みを感じるからかな。
いやー、静かに印象に残る歌だ。

楽歌三昧(題詠選り好み2006)より


写真は1月24日の一周忌追悼コンサートの時のものです。
デザイナーである私の友人が宏之のフルート演奏の写真を
大きなタペストリーにしてくれました。


最近、お寺さんの本堂で碗琴の演奏する機会が何度かありました。
先週の土曜日(5月8日)も、白石町にある弥福寺でおこなわれた
「花まつり」(お釈迦様の誕生日)に呼んでいただき、
1時間ほど演奏させていただきました。

お寺さんだから宏之のタペストリーを掛けさせていただけるかな、
と思いご住職にお願いしました。

学生時代に陸上をなさっていたという30歳前後の若い女性のご住職は、
「あら、宏之さんも連れてこられたのですね」


とてもうれしいおことばでした。


写真の追悼コンサートの時は、「外からの太陽の光が池の水面に反射して、
タペストリーがゆらゆらと陽炎のように揺らめき、幻想的でした」
と友人がいってくれました。


お寺での演奏後、お子様を28歳で亡くされたというご婦人が来られ、
「タペストリーが風に揺らぎ、宏之さんの指が動いていて、まるで
フルートを一緒に演奏されているようでした」
と涙ながらに語りかけて下さいました。


今、宏之と一緒に演奏しています。



044:寺

上半身ほとんど寺であるひとがごおんごおんと挨拶をする   笹井宏之【温帯空虚】より




残照 | 06:29:24 | Trackback(0) | Comments(7)
052:あこがれ より-楽歌三昧より
窓際のごんちゃん(2010.5.7)
             (写真:窓際のごんちゃん)


052:あこがれ より  (題詠選り好み2007)

あこがれがあまりに遠くある夜は風の浅瀬につばさをたたむ    笹井宏之 (【温帯空虚】)

詩人・笹井宏之の本領発揮、という感じの歌である。
詩人の心はつばさ持て自由に飛ぶのだ。けれど、さすがにめざす先(ここでは「あこがれ」)が
遠く感じたので休むことにした、その場所が「風の浅瀬」。美しい!
休む、のではなく「つばさをたたむ」、美しい!
「風の浅瀬」という言い方は印象的だが、「あこがれ」めざして飛んでいたあいだは向かい風が
強かったのかもしれない。だから思ったより遠く感じたということかも。
でも、強い風をよけてしばし休んだ後は、また自由自在に飛翔するんだなぁ、と思う歌である。
 
(もちろん、笹井さんがすでに亡くなられたことは知っているが、2007年の題詠終了時はご存命だったので、そのつもりで鑑賞させていただく。)



宏之の歌をよく取り上げて下さっているお気楽堂さまに、この歌は私も好きな歌だったので
『些細』のブログに紹介させて欲しいとお願いしたら、快くご了解いただきました。

お気楽堂さま、今後もこのブログに紹介させていただきたいと思っていますのでよろしくお願いします。



宏之は今、つばさをひろげて宙をはばたいているのでしょうね。



鏡の前のごんちゃん

(写真:鏡の前のごんちゃん)

残照 | 19:55:20 | Trackback(0) | Comments(7)
あれから (アーカイブ)
F1000892.jpg

(2009-01-05 Mon 宏之が最後のブログで使った写真:うちの猫 「ごんちゃん」)



放ってしまおう

どうしようもないぼくたちは灰色の花瓶に花を挿しにいかなきゃ      笹井宏之



訴えたいことが先にあると、うまく作品がつくれない。
ぴんときたことばをおもうにまかせて組み立てていったとき
いちばんしっくりくる歌ができる。

歌いたいことじたいをつくってゆく。
時間をかけて、歌いたかったことを引き出す。

そうして作品が出来ても、自分がなにを訴えたかったのか
わからないことは多い。

感覚は“しっくり”状態なのに。

そういうときは、作品をぽーんと放って
読む人にまかせてしまうしかない。

【2006/10/15 20:39】 | 短歌交換日記 |



宏之が残してくれたこの『些細』のブログを
細々ですが、繋ぎ始めて一年が経ちました。

これからもよろしくお付き合い下さい。




池2

(写真:宏之が10年間見つめてきた池。ここから見る風景が唯一、外の世界と繋がっていました)


残照 | 01:51:51 | Trackback(0) | Comments(10)