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笹井宏之

Author:笹井宏之
◇1982年夏生まれ
◇ししゃも好き
◇療養生活をおくりながらあっけらか
 ーんと短歌をつくっています

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 tsutsui@izumy.com
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【温帯空虚】
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2006年、ささいうた
去年、歌誌にのった歌、投稿した歌を選んでならべてみました。


◆かばん新春題詠「道」

 何枚もまぶたのひらく音がする ゆっくり気道確保しなさい



◆かばん関西歌会、歌会記(1月~12月)より。

 お豆腐のかたまりを手で割るように神さまがおとこ/おんなを分ける

 晩年のあなたに窓をとりつけて日が暮れるまで磨いていたい

 生命のおこる瞬間葦原でひとりの歌姫が目をつむる

 えびせんの袋がひらききっている深夜のパズルピースの私

 生むように生まれるように真昼間の沸騰水を沈む白玉

 運河へと私のえびが脱皮する いろんなひとを傷つけました

 こころにも手や足がありねむるまえしずかに屈伸運動をする 

 特大のファールボールをあてられてフェンスがわれに返る数秒 

 少しずつ海を覚えてゆくゆうべ 私という積荷がほどかれる  

 生きてゆく 返しきれないたくさんの恩をかばんにつめて きちんと

 コーヒーにあたためられた喉からの声で隣の人があたたまる

 ほしのふるおとを録音しました、と庭師がもってくるフロッピー

 読みさしの本に真夏を挟み込み書棚のすこし奥にしまった

 ため息がいま飲み干した珈琲の缶に溜まってゆく夜明けまえ

 欠けているぶぶんの月が廃校の棚に入っているのは秘密



◆「第一回 犬という名の猫な歌会。」

 笹舟はほどかれ朝のみずうみを祈りのように流れていった


◆ゆうなぎ手帖

 次々と涙のつぶを押し出してしまうまぶたのちから かなしい

 どうしようもないぼくたちは灰色の花瓶に花を挿しにいかなきゃ

 まだとどくところにおちていた嘘が、どうしよう自転車に轢かれた

 庭先で人が回っていたものでよい回転ですねと褒めてやる

 いちばんに消えてなくなりそうだった星のひかりの頬を切られる

 ふかみどりの帽子を脱いで去ってゆく入道雲製造所の所長

 息抜きをしているひとに栓をする すべてが抜けてしまわないよう



◆笹短歌ドットコム

「商品名」

 真っ白になりたいときはiPod miniへ転送した風を聴く

「テレビ・テレビ番組」

 ミュージックステーションへとゆくはずの特急を待つギター少年

 いのちあるものに等しくおとずれる白い砂嵐の時間帯

 廃品になってはじめて本当の空を映せるのだね、テレビは

 チャンネルをあなたの部屋にあわせてもカーテンが波打っているだけ


「魚介類」

 マンボウのようにヨーロッパの人が長椅子を立ち上がって消えた 

 鰯雲のうろこのなかへ釣り針のように突っ込んでゆく旅客機

 グリズリーに跳ねあげられた紅鮭の片方の眼に映る夕虹

 ひとしれず海の底へと落とされた大王烏賊のなみだを思う

 消えてゆく尊いもののひとつとして金魚掬いのときのおじさん

 未来への問いはゆるゆる吸い込まれシーラカンスの水槽の中


「酒」

 ひとすくいワイングラスに海をいれ夕陽のあたるテーブルへ置く

 焼酎を墓標にかけているときのおじいさん いっそううつくしい

 酒屋からファミリーマートへ変わっても日暮れの窓は果実酒の色

 雨になるゆめをみていた シャンパンを冷蔵庫深くにねむらせて

 酒瓶にプリントミスがある夜の天球を走りまわる麒麟


「アニメ」

 しあわせのかたちは春の日溜まりの安西先生ではないかしら

 あめかぜにうたれなぶられひきつづき出番を待っている筋斗雲

 あんぱんが目や鼻をもち言語野のすぐれたカバと会話している

 雪の降るみなもに全砲身を向けしずかに錆びてゆくガンタンク

 てらてらと銀河鉄道行きのバス (バス?) そうすこしわたし現実

 赤道のあたりで頬のうずまきに違和感をおぼえだすバカボン 


「格闘技」

 元旦の朝にようやく百八の瓦を割りおえる師範代

 道場にあやめのような人がきてしばし花瓶となる師範代

 さすらいの蜂蜜売りは知っている 馬場さんが欅だったことを

 三日月の凍る湖面にアントニオ猪木の横顔があらわれる



◆ポプラ社「日々短歌」

 こなゆきのふる浴槽で生まれては消えていく世界地図のあなた

 あわゆき、B級走馬灯が録画されてる脳を洗うあわゆき

 釣り糸にからまっているえびの手をほどく いっぽんにほん くるしい

 水仙にアイスピックを突き立てて祈りのような言葉を吐いた

 パジャマ着たままで沈んでいく人を失礼しますといってなでている

 コップいっぱいにたまった酸性のみぞれを電子レンジでとかす




* * *



ずいぶんと好き勝手につくったなあ……。

一月から未来短歌会の会員になりました。
加藤治郎さんのもとに弟子入り(?)です。

いったいどんな展開が待ち受けているのか。
いまのうちに、間違えられることはうんと間違えておきたいです。

ことしもよろしくお願いいたします。


笹井宏之

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日記 | 22:56:53 | Trackback(0) | Comments(2)

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