投稿日:2010-02-06 Sat

それは明日旅立ってゆく人のゆめ こうのとりには熱いポトフを
〜笹井宏之『ひとさらい』より〜
昨年旅立ちました長男宏之の一周忌にあたる1月24日、
有田ポーセリンパーク内のツヴィンガー宮殿にて
「碗琴コンサート」〜筒井(笹井)宏之に捧ぐ〜
の追悼コンサートを開催いたしましたところ、
皆さまご多用中にもかかわりませずたくさんの方々に
お集まりいただき、まことにありがとうございました。
宏之は小さい頃からピアノに親しんでおりましたこともあり、
18から19歳にかけて、また22から23歳にかけての
短い期間ではありましたが、いくつかの楽曲を残してくれていました。
その足跡を辿ってみると、楽曲の創作に勤しんだ時期と
短歌を詠んだ時期が微妙に交差していることがわかります。
自分の中からほとばしり出るものが
時として音楽であり、ことばだったようです。
自分の体と心の調子を整えながら、
音を、そしてことばを紡いでいたようです。
二十六年という短い一生ではございましたが、
心身の病と闘いながらも懸命にそして丁寧に生きてくれました証として、
いくつかの短歌と楽曲を残してくれました。
私たちにとりまして、たいせつな宝です。
この一年、みなさまから賜りましたご厚情に深く感謝申し上げますとともに、
今後とも変わらぬお付き合いとご指導を賜りますようお願い申し上げます。
筒井(笹井)宏之の短歌と音楽がいつまでもみなさまの心に残ってくれますことを願って
(写真:追悼コンサートプログラムの表紙)
投稿日:2010-01-26 Tue

滝までの獣の道を走り抜けあの子は歌手になるのでしょうね
笹井宏之『ひとさらい』より
1月24日、宏之のための追悼コンサートを開催しました。
たくさんの人に集まっていただきました。
当日、たくさんの人にコンサートを支えていただきました。
1月24日、宏之の一周忌を迎えました。
たくさんの人にことばをかけていただきました。
この一年、たくさんの人に私たちを支えていただきました。
たくさんの人に、たくさんのたくさんのありがとうを
心から。
そして、宏之に ありがとう。
コンサートの様子を知人の風竿様が、ご自分のブログで
丁寧に紹介してくださいました。写真もお借りしました。
風竿の「人生の達人」列伝
ピアノを弾いている宏之の写真はコンサートのプログラムの表紙に
モノクロで使いました。
会場に展示したものを風竿さまが撮ってくださいました。
投稿日:2010-01-09 Sat

(写真:宏之旅立ちの朝 2009年1月24日)
昨年1月24日、白雪とともに宏之が旅立ちましてから一年の月日が流れようとしております。
その間、皆様から賜りましたご厚情に心より感謝申し上げます。
一周忌を迎えるに当たり、宏之のためにささやかなコンサートを開催することにしました。
まだ私たちの心のどこかに、宏之の死を認めたくないとの思いがあり、今日まで一周忌法要を
ためらっておりました。
命日まであと半月となり、何か宏之にためにしてやれることはないだろうか・・・・・・
音楽が好きだった宏之のために、コンサートを開催したいと思いました。
一昨年、体調がいい時は、私のコンサートでオカリナやサックスのピアノ伴奏を、
ほとんど即興でしたが、やってくれました。
フルートも吹いてくれました。私の碗琴、オカリナと宏之のフルートでジョイントも
何度かやりました。
楽しい時間でした。
私たちがやりたいこと、私たちが楽しい時間を過ごすことが、宏之の一番望んでいること
そう思いました。
今から準備をしますので、本当にささやかなコンサートになりますが、お近くの方で
お時間があられれば、有田の方までお出かけ下さい。
●タイトル 「碗琴コンサート」〜 筒井(笹井)宏之に捧ぐ 〜
●日 時 平成22年1月24日(日) 午後1時30分〜3時30分
●会 場 有田ポーセリンパーク ツヴィンガー宮殿
有田町戸矢 TEL:0955−41−0030
●プログラム 1.笹井宏之楽曲集 【SaSa−Note】 より
「生命の回廊」「桜」他 2001年〜2005年夏の楽曲鑑賞
2.碗琴・オカリナ・連鉢による≪有田磁器のしらべ≫ 他 演奏:筒井孝司
冬用のふとんで父をはさんだら気品あふれる楽器になった 〜笹井宏之『ひとさらい』より〜
投稿日:2010-01-06 Wed

粉雪とともに新しい年がしめやかにやってきました。
本年もよろしくお願い申し上げます。
伊津野重美さんから、『現代詩手帖』1月号詩誌月評『生命の回廊』
が紹介されているとお教えいただき、本を取り寄せました。
●詩誌月評 「詩について語るとき 我々の語ること 水島英己」 より抜粋
『生命の回廊』創刊号(伊津野重美編集発行)は二〇〇九年一月に二十六歳という若さで急逝した歌人、笹井宏之の追悼号として出されている。歌集『ひとさらい』の歌人に寄せる伊津野はじめ同人それぞれの痛切な思いに満ちた作品やエッセイに心を打たれた。岸原さやの笹井短歌の懇切な鑑賞「ゆめをみるみず笹井宏之」のなかに、「笹井さんには短歌がまず「詩であること」への強い志向性があったのではなかろうか。一行詩としての短歌―――。」という指摘がある。笹井自身の「現代詩に負けるものか、という意識が強くて、勝ち負けではないのかもしれませんが、よく自分の連作が、「現代詩手帖」のような雑誌に「詩」として載せられたら、どう読まれるだろう、と考えます」(「新彗星」創刊号の鼎談より)という発言も紹介されている。同誌に掲載されている笹井短歌の数首を引用する。
「スライスチーズ、スライスチーズになる前の話をぼくにきかせておくれ」
まばたきの終え方を忘れてしまった 鳥に静かに満ちてゆく潮
あまがえる進化史上でお前らと別れた朝の雨が降ってる
ねむらないただいっぽんの樹となってあなたのワンピースに実を落とす
一様に屈折する声、言葉、ひかり わたしはゆめをみるみず
ゆきげしき みたい にんげんよにんくらいころしてしまいそうな ゆきげしき
これらの一行に凝縮された渾身の潔い「詩情」を到達点と見るのではなく、これを受け継ぎ、開き深める営為こそが必要となる。そのとき、若い世代とかベテランとかの区別は意味のないことだ。
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萩原健太郎の「透明な喩体 伊東静雄」について。「詩の作者が、喩によって成された作品そのものになる。あるいは逆に、生活者である人間が喩的に侵食される。このことの是非や、それが悲劇か喜劇かの判断は別にして、潁原がいうように、詩作者にとって境涯であり本望であるとも思える」いう一節に共感した。静雄の師、潁原退蔵は詩集『夏花』の巻頭詩「燕」に寄せて、「芭蕉」の「句と身が一枚になる」境涯を思わずに居られない、と激賞した。」という、その潁原の言葉を萩原は先の引用のようにパラフレーズしている。笹井宏之の短歌はとくに「句と身が一枚になる」境涯そのもので痛ましい思いがする。確かに萩原が言うように「このことが是か非か、それが悲劇か喜劇かの判断は別にして」、「詩作者」としての根源性がそこに在ることは疑えない。詩の言葉と対峙し、逃げ出すことなく、立ち止まることなく、歩み続ける限り、その境涯はもっと深く険しく美しい断崖を切り出すだろう。・・・・・・
(写真:雪にけむる煙突)
投稿日:2009-12-31 Thu

えーえんとくちからえーえんとくちから永遠解く力を下さい
〜笹井宏之『ひとさらい』より〜
2009年が終わろうとしています。
友人・知人、そしてお顔も存じあげない多くの方々に励まされ
支えていただいた2009年。
2009年という年を忘れることはないでしょう、永遠に・・・・・・
今年の正月に宏之が最後のブログで願ったように
新しい年、みなさまが「しあわせであるといい」
ささやかな明日、そして健やかな新年をお迎えください。
有田では、大晦日の夜から元日にかけて「碗灯」が灯されます。
陶祖・李参平を祀る陶山神社で、神社の入り口から境内まで、
約1500個の灯明が並びます。
今夜は宏之と碗の灯りで、新しい2010年を迎えようと思っています。
永遠解く力を下さい・・・・・・
(写真:昨年の「碗灯」風景)
投稿日:2009-12-13 Sun

≪週刊新潮12月17日号 新々句歌歳時記≫より
美術史をかじったことで青年の味覚におこるやさしい変化 笹井宏之
勉強をはじめてすぐやめてしまうことを「かじる」と言うが、
その言葉から発想した、奇妙な味わいの歌。「味覚」は、絵画を
味わうときの味覚ととらえることもできるが(中途半端な知識が、
鑑賞に影響を与えるような)、むしろストレートにものを食べる
ときの味覚ととったほうが、おもしろい。人生は、割り切れない、
妙な因果関係に満ちている・・・・・・そんなメッセージを感じること
も可能だろう。『ひとさらい』(平成二十年・ブックパーク)
俵 万智
昨日、東京町田に住む高校時代の友人が宏之のお参りに
きてくれました。
その友人は、秋山佐和子さんの『玉ゆら』にも宏之のこと
を何度か紹介してくれ、また今年3月20日に東京で開催
していただいた偲ぶ会にも出席してくれました。
「宏之君の歌を俵万智さんが書いてくれていたよ」
と週刊新潮(12月17日号)を持ってきてくれました。
(写真:5年前にドイツ・デュッセルドルフ「ゲーテ博物館」で開催した「有田陶芸展」会場)
投稿日:2009-12-06 Sun

水田を歩む クリアファイルから散った真冬の譜面を追って
(笹井宏之 「ひとさらい」より)
今日の有田はどんよりとした冬の空です。
一月前に植えたハナミズキの最後の一葉が
揺らいでいます・・・
今日、NHK総合テレビで10時5分からの「地球発!ぐるっと日本」
という番組の中で11時頃まで、8月8日のBShiで放送していただいた
「あなたの歌に励まされ〜歌人筒井宏之 こころの交流〜」の再放送が
ありました。
半年以上取材していただいたディレクターの小室さんも出演され丁寧に
コメントしていただきました。
今、たくさんの方からメールや電話をいただいています。
このブログにもたくさんの方から書込みをいただいています。
お一人おひとりにお礼を申し上げたいのですが、取り急ぎこの場で
お礼を申し上げます。
本当にありがとうございました。
(写真:先ほど撮ったハナミズキと煙突)
投稿日:2009-11-16 Mon

ひっそりと花のかたちが正される 詩の一行がかるくほどけて
笹井宏之 「かばん」 (2008年5月オンライン歌会題詠「植物」)より
夜来の雨と風で
ハナミズキの葉が 散りました
代わりに
山茶花の白い花が一輪 咲きました
またまた、再放送のお知らせです。
12月6日(日) 10:05〜11:30
NHK総合(全国) 「地域発!ぐるっと日本」 の放送枠の中で、
ハイビジョンふるさと発 「あなたの歌に励まされ〜歌人・筒井宏之 こころの交流〜」<BShi 8月8日放送>
が、再放送されるそうです。
今まではBShiでしたが、今度は総合TVです。
(写真:庭先の山茶花。先日、この山茶花の傍らにハナミズキを植えました)
投稿日:2009-11-02 Mon

果樹園に風をむすんでいるひとと風をほどいているひとの声
(笹井宏之 「ひとさらい」より)
11月になりました。
風の冷たい一日でした。
今日、我家の庭先に宏之が好きだったハナミズキを植えました。
来年、ゴールデンウィークの有田陶器市の頃には
薄紅色の可愛い花を咲かせてくれますように

『生命の回廊』(vol.1 笹井宏之 追悼号)が届きました。
編集・発行していただきました伊津野重美様、
寄稿していただきました岸原さや様、斉藤倫様、しんくわ様、
なかはられいこ様、ひぐらしひなつ様、村上きわみ様
それから発行にご尽力いただきました関係者のみなさまに
こころからお礼申し上げます。
本当にありがとうございました。
(上の写真:ハナミズキはネットから借りてきました)
(下の写真:今日植えたハナミズキ)
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